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【Stray】ゲーム中に隠された小ネタ&元ネタ、世界観やシナリオについて考察など

【Stray】ゲーム中に隠された小ネタ&元ネタ、エンディング後の考察について

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猫探索ADV『Stray』より、ゲーム中に確認できた小ネタ (元ネタ)について解説

猫とその相棒が見知らぬ街を探索するゲーム『Stray』において、作中に出てくる小ネタ(元ネタ)を解説付きで一挙に掲載してみました。

当然、ネタバレだらけの記事でもありますし、まだ本編をクリアしていない人は速やかにブラウザバックすることをおすすめいたします。

そして、本稿の後半にはゲーム内の資料から読み解く”人類滅亡について”の考察もまとめてみました。

今後、本作に続編や追加アプデで新事実が判明すれば意味合いも変わってくるとは思いますが、謎の多き世界観をなるべく分かりやすく解説する…ということで、ひとつ大目に見てもらえたら幸いです。

それでは、まず最初に元ネタがあると思われるイベントについて、順に解説を始めていくことにしましょう。

猫の相棒「B-12」の名前の由来は本作の開発スタジオから

「B-12」の名前の由来は開発スタジオスタジオロゴ

猫の頼れる相棒こと「B-12」ですが、本作の開発スタジオはフランスの”BlueTwelve Studio”であることが発表されています。

つまり、B(blue)-12(Twelve)から名付けられた、というわけですね。

ちなみに猫に必要な栄養素として、ビタミンB12(コバラミン)があることから、そちらとダブルでかかっているのではないか…とする説もあります。

ミッドタウンに登場するNPCはほとんどがB-12所属の社員

ミッドタウンに登場するNPCはほとんどがB-12所属の社員SIMON

もう一つB-12ネタを。

ゲーム中盤に訪れる「ミッドタウン」に出現するロボットたちは、ほとんどが開発スタジオの社員の名前で構成されているNPCばかりです。

例えばカセットテープを回収するマンションには「Miko」「Jeanma」「Simon」という3人組が踊ってますが、これはエンディングのスタッフロールから名前を確認することができます。

そして牢屋で行き倒れになっていたり、クラブで激しく踊ってるのが開発の中核メンバーですね。

映画『バックトゥザフューチャー』より数種類の小ネタが存在

映画『バックトゥザフューチャー』より数種類の小ネタが存在

チャプター7「デッドエンド」にて、Docとの初会合シーン。

これは名前といい髪型と言い、映画『バック・トゥ・ザフューチャー』の登場人物”ドク”そのままですね。

手に持っているのは対ZURK兵器の「ディフラクサー」ですが、これはデロリアンの「フラックス・キャパシター(次元転移装置)」のローマ字綴りをもじったもの。

 

動かすには1.21ジゴワット必要だ

「装置を動かすには1.21ジゴワット必要だ」とのセリフは、同じくタイムマシンであるデロリアンに必要な電力のこと。

映画脚本家であるボブ・ゲイルが科学の専門家に話を聞き、ギガワット=ジゴワットと訛って発音したものがそのまま台本に反映されました。

そして”1.21 jigowatts”とのスクリプトをみた翻訳家の戸田奈津子氏がそのまま字幕に使ったというわけです。

 

シュタゲにも出るネタ

シュタゲにもあるネタ

よく勘違いされますが「当時はギガという単位になじみがなかったから、戸田奈津子が誤訳したんだろう」というわけではありません。

 

seamus

Docの息子であるSeamusとのツーショット。

 

マーティとドク

これはもちろんオレンジのベストを着ていることから、マーティとドクの並びであることに間違いないですね。

名前の”Seamus”とは、バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3に登場した玄祖父シェイマス・マクフライ(Seamus McFly)のこと。

 

虹色帽子

そして全メモリーを集めるともらえる虹色のハーネス。

 

レインボーの帽子

これはバック・トゥ・ザ・フューチャー PART2より、マーティが被っていたレインボーの帽子に由来にするものです。

『MR. ROBOT/ミスター・ロボット』よりエリオットが出演

MR. ROBOT/ミスター・ロボット

チャプター4より。

震えがとまらないというEliotに対して、こちらが電源ケーブルで編んだポンチョを渡すシーン。

これは海外でエミー賞を獲得したドラマ「ミスターロボット」より、社会不安と戦うエンジニアである”エリオット青年”が元ネタとなっています。

この手のドラマにありがちなのが、ガバガバの設定や適当なハッキング描写によって、IT業界人から総ツッコミにあうというのが近年の流れでした。

ところが、こちらはドラマ放映中にディスプレイに映ったコードは全て正確な物を採用。

更にはFBIセキュリティコンサルタントを招き、おかしい描写はとことん排除するという方法を取りました。

主人公のエリオットは社会不安を患っており、夏でもパーカーをかぶって表情を見せないとキャラクターです。

Strayでもその部分を真似て出演させたのでしょう。

『怪奇ゾーン グラビティフォールズ』のハードカバー

『怪奇ゾーン グラビティフォールズ』のハードカバー

スラム街の廃図書館にて。

肉球に数字が描かれているデザインのハードカバーが置いてあります。

 

怪奇ゾーン グラビティフォールズ

一方、こちらはディズニーアニメ『怪奇ゾーン グラビティフォールズ』より。

主人公のディッパー・パインズが発見した日誌(ジャーナル)です。

田舎町「グラビティフォールズ」に降りかかる異常現象を記録した本で、中身は悪用されないように見えないインクで書かれているというシロモノでした。

正確に言えばディッパーが発見したのはジャーナル3巻なので、これは別人が所持していたジャーナル2巻ですね。

YouTubeでは第1話が無料公開されています。

興味があったら見てみるのもいいでしょう。

ディズニーチャンネルが好きな親子ならほぼ見ているような大人気のアニメです。

スラム街にいる音楽家Morusqueはどこかで聴いたような曲を演奏する

スラム街にいる音楽家Morusqueはどこかで聴いたような曲を演奏する

スラム街で拾った楽譜を持っていくと、適当なBGMを演奏してくれるストリートミュージシャンのMorusque。

全部で楽譜が8枚あるということもあり、それぞれ違う曲をチューニングが失敗したようなギターで演奏してくれるという要素があるわけです。

今のところ、元ネタがあるのは

の2曲。

映画『シャイニング』に登場するカーペットの柄

映画『シャイニング』に登場するカーペットの柄

スラム街にて、電気スイッチを外してファンを止めたあとに入る民家の壁。

ここでは映画『シャイニング』で使われた印象的なカーペットのデザインを見ることができます。

 

余談ですが、このカーペットは映画の撮影が終わったあとにワーナーブラザーズ社の会議室の床に敷かれているそうです。

会議のたびにおぞましい気持ちになって、新作映画のインスピレーションが湧いてきそうですね。

アニメ『シンプソンズ』に出てくるモーの店と似た内装のバー

アニメ『シンプソンズ』に出てくるモーの店と似た内装のバー

スラム街にて、バーテンダーJacobが経営するバーの内装。

これは

  • カウンターに突っ伏して泣く客
  • DUFER BAR → DUFF BEERを意識したネオン
  • モーの店に似た建物のデザイン

ということで元ネタは海外アニメ『シンプソンズ』でしょう。

ちなみに海外ドラマ『ストレンジャーシングス』を制作したDUFFER兄弟とも、アルファベットのスペルをかぶせています。

海外ドラマ『ストレンジャーシングス』には照明や電飾で別の世界と交信するシーンがある

ストレンジャーシングス

Strayの一番最初、電球が順番に光って猫を誘導してくれるワンシーン。

あとあと分かることですが、B-12が自分の元までプレイヤーを誘導してくれる場面ですね。

これは海外ドラマ『ストレンジャーシングス』にちなんで、裏側の世界と現実世界は照明や電飾で交信できるという要素を真似たもの。

ちなみにドラマを題材にしたコラボカフェが2022年限定で渋谷にオープンしています。

電飾がびかびか光るところでご飯が食べられるので、よかったら遊びに行ってみてはいかがでしょうか。

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テレビに映るQRコードの意味

テレビに映るQRコードの意味

トロフィー「テレキャット」獲得に必要なテレビに映る謎のQRコード。

これを読み込むと「01001000…」とバイナリコードを抽出することができます。

更に数字をUTF-8で文字変換すると”Hello you! :3“と顔文字が出現。

開発者からのかわいいメッセージを目にすることができました。

「白って900種類あんねん」は日本語ローカライズ作業で遊んだわけではない

「白って900種類あんねん」は日本語ローカライズ作業で遊んだわけではない

チャプター9「アントビレッジ」より、壁を塗っている職人ロボットのセリフ。

これはファッションモデルであるアンミカがトーク番組「人志松本の酒のツマミになる話」にて、「タオルも褒められます?」と聞かれて、即座に「白って200色あんねん」と答えた伝説のフレーズを彷彿とさせますね。

本作には「くぁwせdrftgyふじこlp」というお遊びもあり、これも翻訳スタッフが仕込んだネタ…と勘ぐってしまいますが、英語版でも同じセリフが使われていました。

 

英語版

英語版

フランス版

フランス版

念のため開発スタジオがフランスにあるということもあり、仏語でも確認してみましたが内容は同じでした。

そもそもStrayは2015年から開発がスタートしています。

アンミカネタは2021年8月に番組がOAされましたが、動画をアップロードされた2022年3月にSNSでバズりはじめました。

発売までのスケジュールやデバッグの期間を考えても、大急ぎで全言語にアンミカネタを仕込むなんて真似はしないでしょう。

ちなみにフルカラー(24bit)で表示できる色は約1677万色であり、白っぽい色というだけでも優に1000種以上の幅があると言われています。

モチーフは『NieR:Automata』の可能性

モチーフは『NieR:Automata』の可能性

同じくチャプター9「アントビレッジ」より。

平和的な人々が自然の中で暮らす街、という場所ですね。

 

パスカル村

これはスクウェアエニックスの『ニーアオートマタ』より、設定や雰囲気がパスカル村とよく似ている感じが出ています。

 

テセウスのパラドックス

一方、こちらはミッドタウンにいるVladeeというNPCのセリフ。

パーツを全部交換しても、それでも俺は俺なのか?」とテセウスのパラドックスを彷彿とさせる問題を提起してきます。

 

ニーア序盤

一方、こちらは『ニーアオートマタ』の序盤に訪れるレジスタンスのキャンプから。

自分自身を修理することに戸惑っている道具屋(機械人形)が存在しています。

「怪我をしてるなら、まずは他人より自分を修理したらどうだ?」という問いに対し、「あとは足だけしかオリジナルパーツが残っていない。全てを交換したら、自分が自分でなくなってしまうような気がする」と答えるイベントが発生するというもの。

“テセウスの船”はメジャーな概念なので単にかぶっているだけかもしれませんが、それでもStrayとニーアのストーリーにおいていくつかの共通項が見られますね。

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『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』

『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』

再びアントビレッジより。

ソファーで寝ているロボットが、ゲーム中には存在しない「電気ZURK」に関しての寝言をしゃべっています。

つまりこれは「アンドロイドは電気ZURKの夢を見るか?」ということになり、これは映画『ブレードランナー』の原作小説”アンドロイドは電気羊の夢を見るか?”を体現したということになりますね。

ちなみに原作者の名前はフィリップ・K・ディックというのですが、寝言をしゃべているのはなぜかIsaac(アイザック・アシモフ)というお遊びが見られます。

くぁwせdrftgyふじこlp

くぁwせdrftgyふじこlp

チャプター12より、何とか猫を地下街から脱出させるために電子ロックを解除していくという感動的な場面。

ここでB-12が思わず「くぁwせdrftgyふじこlp」と声にならない叫びをあげてしまいます。

あくまでシリアスになりすぎず、少しくすっとさせてくれるシーンですね。

このネタは文字で表せない悲鳴を表現するときに使われるネットスラングのことです。

QWERTY配列のキーボードを用意して、フルキーの3段目と2段目を交互に入力してみましょう。

“くぁwせdrftgyふじこlp”の文字列が再現できるはずです。

読める部分をくりぬいて、通称「ふじこ」なんて呼ばれるネタですね。

STEAMとハーフライフネタ

STEAMとハーフライフネタ

チャプター9とチャプター11に訪れる電車にはバールが置いてあります。

 

またDocの家にも同様のものが置いてあり、水道管の"バルブ"にひっかけるようにして設置してありました。

またDocの家にも同様のものが置いてあり、水道管の”バルブ(Valve)”にひっかけるようにして設置してありました。

これは名作FPS『ハーフライフ』より、主人公のゴードン・フリーマンが使用していた武器クロウバーにそっくりの”バールのようなもの”ですね。

発売元はSTEAMの運営でもおなじみの”Valve社”ということで、バルブにバールが置いてあったのでしょう。

またハーフライフに登場するヘッドクラブ(画像検索)という敵がZurkに似てないこともない。

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『Team Fortress 2』に登場するメディックの肖像画

Team Fortress 2に登場するメディックの肖像画

もうひとつValveネタを。

スラム街、momoのアパートには『Team Fortress 2(以下、TF2)』よりメディックに似た肖像画が壁に設置してあります。

TF2は2007年発売の作品にも関わらず、未だに全世界10万人以上が毎晩接続しているという化け物ソフト。

メディックは皆が必要としているのに、誰もやりたがらないというポジションの人でもあります。

名医を以ってしても、Strayの世界の人類滅亡は救えなかったんでしょう。

ミッドタウンの屋台にはペルソナ5の惣治郎がいる

ミッドタウンの屋台にはペルソナ5の惣治郎がいる

チャプター10「ミッドタウン」の序盤から行ける屋台風のカウンターより。

「以前バー(喫茶店)をやっていたSOJIRO」なんてペルソナ5の佐倉惣治郎しかいないでしょう。

 

ミッドタウンの屋台にはペルソナ5の惣治郎がいる

腕まくりをしたシャツなど、両人とも服装もよく似ていますね。

しかし「膝にスクリュードライバーを受けてしまってな…」となぜかスカイリムのセリフを口にします。

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ベレソアのセリフ「ガラクタだっていう人もいるけど、俺は宝物って呼んでる」

ベレソアのセリフ「がらくただっていう人もいるけど、俺は宝物って呼んでる」

続けてスカイリムネタをもう一つ。

チャプター9「アントビレッジ」にて、郊外で宝物探しをしているJenkinsのセリフ。

 

ベレソア

続いてこちらが『The Elder Scrolls V: Skyrim』に出てくる商人ことベレソアさんのセリフ。

英語版ではどちらも”Some may call this junk. Me, I call them treasures“と言っているので元ネタ確定でしょう。

原作では「何でも売るぞ、友よ。何でもだ。 自分に姉妹がいたなら、すぐにでも売り払う」などと不穏なことを言う人物なのですが、Strayの方でもJenkinsの近くに姉妹らしきロボがいます。

まさか本当に姉妹を売買してしまったんでしょうか。

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D&Dを遊ぶLynとPinu

D&Dを遊ぶLynとPinu

ミッドタウンのマンションより、LynとPinuの会話内容から。

近づくと「キャラクターシートを忘れた」「1週間ほどセッションの準備に費やした」「とりあえず洞窟行こう」との話を聞くことができます。

おそらく二人はTRPGを遊ぼうとしているのでしょう。

世界初のRPGである、そして知名度も非常に高いということもあって「ダンジョンズ&ドラゴンズ」をやってるとみるべきですね。

キャラクターシートはプレイヤーの履歴書のようなもので、特にゲームによっては原稿複数枚にわたって作り込まなくてはならない重要な要素となります。

「作るのに1週間かかった」とのセリフは、つまりキャラの設定だけでそのぐらい時間がかかるということですね。

実際は設定が面倒な人のために予め記入されているスターターキットのようなものもあるので、興味が湧いたらプレイしてみてはいかがでしょうか。

ミッドタウンのナイトクラブにはダフトパンクがいる

ダフトパンク

チャプター10「ミッドタウン」の後半に訪れるナイトクラブより。

DJブースでミラーボールをかぶった二人組は、おそらく世界的に有名な音楽デュオ『ダフトパンク』をモチーフにしたNPCでしょう。

 

ダフトパンク

当の本人らも開発スタジオと同じフランス出身の音楽家である、ということもネタにしやすい一因かと思います。

残念ながらダフトパンクは28年の音楽キャリアをもって2021年に解散してしまいました。

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ジェイルには大犯罪者が3人いる

ジェイルには大犯罪者が3人いる

チャプター11「ジェイル」に登場する囚人は、それぞれ名前がPablo、Capone、Lupinと3人のNPCがいますね。

これは麻薬王パブロ・エスコバル、暗黒街の帝王アル・カポネ、怪盗アルセーヌ・ルパンから引用したものでしょう。

なぜかルパンだけ架空の人物をモチーフにしてます。

ここに訪れた際のトロフィーの名前が「アルキャットラズ」となっており、実際のアルカトラズ刑務所にもアル・カポネが収監されていたことで有名ですね。

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Strayの世界観についてのまとめ・考察

B-12のメモリーとNPCの会話によって、人類に何があったのかある程度知ることができます。

ここではゲーム中で確認できた事実を元に、分かりやすくストーリーを組み立ててみました。

当然、一度クリアしていることを前提として話を進めていくので注意してください。

アウトサイドからの使者である猫

アウトサイドからの使者である猫

まずはオープニング、ネコチャンが家族とはぐれてシェルター内に落下してしまうところ。

アウトサイド(外の世界)はロボットたちの憧れであり、外に出ようとする人たちは通称”アウトサイダー”と呼ばれていました。

「外を目指すの?凄い!」「外の世界?あるわけないだろ」「外の世界?危険な思想は取り締まるべきだ!(主にミッドタウンの反応)」なと、ゲーム中はロボットたちの様々な反応を見ることになります。

B-12のメモリーNo.2によると「アウトサイドは草木も育たないほどの危険地域」とされていましたが、オープニングを見る限りでは普通に緑が生い茂っていましたね。

シェルターの名前は「ウォールシティ99」

シェルターの名前は「ウォールシティ99」

チャプター2「デッドシティ」に入ってすぐ目につく張り紙に注目。

PANDEMIC PROTOCOL

  1. Do not try to exit the city.Stay home.
  2. Avoid any contact with other residents.
  3. Violating the rules of confinement will result in a heavy prison sentence.

wait for instructions on walledcity99.com

意訳

感染爆発への対策

  1. 街から出ようとしないこと。家にいること。
  2. 他の住民との接触を避けること。
  3. 監禁のルールに違反した場合、重い刑に処されます。

walledcity99.comの指示をお待ちください。

面白いのは「walledcity99.com」にアクセスするとStrayの公式サイトに飛ばされるところです。

ネコチャンの迷い込んだところがウォールシティ99とするならば、98番目や97番目のシェルターが外の世界にあったのかもしれません。

ウォールシティ99はスラム街に残されていたメモにより、円形状で直径は450メートルある空間であることが分かっています。

B-12は人間からロボットへの人格移植に失敗した

アパート

チャプター3「アパート」にて、ネコチャンがキーボードを打鍵するシーン。

画面左上にはB-12が監視するカメラがあり、画面からは助けを呼ぶ文章が表示されています。

ダウンロードのためにボディが必要」とネコチャンにいろいろ指示を送ってくる場面ですね。

 

カプセル

ちょうど人間が入る大きさのカプセルと、いかにもなケーブルで繋がれたロボットが横たわっています。

カプセルからは液体が漏れており、とうの昔に中で人間が朽ち果ててしまった様子をうかがうことができますね。

 

神頼み

アパートを脱出する前に遺体の前へ戻ると「うまくいきますように」とのメモを読むことができます。

つまり、人格転移は決して成功率の高い作業ではなかったということ。

科学者であるB-12が存在しない神に祈るほどに、転移は相当な覚悟をもって行われたということでしょう。

不安は的中して、人格をコンピュータにアップロードする作業は失敗。

B-12の人格は長年にわたってネットワークの中に閉じ込められてしまうことになってしまいます。

「肉体は病気に蝕まれていた」と後に判明するのですが、死ぬ前に急いで転送技術を完成させなければなりません。

不完全な状態で転送を行うには理由があったのです。

人類最後の研究者であるB-12は家族を亡くしながらも”外の世界へ行く。そしてシェルターを開放してみせる“と約束していました。

 

アウトヴィレッジ

アントビレッジの入り口にも同様のカプセルがあります。

下層のロボットは感情が豊かですが、これは元が人間だからということでしょう。

対して終盤のコントロールルームにいたロボットは機械的なAIそのものでした。

B-12が「コントロールルームの連中は大っ嫌い」と発言していており、他の住人も支配層を嫌っていたことから、あの辺一帯は放置されていた可能性があります。

 

ロボット

8割ぐらいのロボットはネコチャンに優しいですが、これは元が人間だからということかもしれませんね。

アウトサイダー(外の世界)に憧れているというのも、シェルターの外に出たかった人間の記憶のなごりである可能性があります。

ZURK発生の原因はNECO CORPORATION

絶滅の原因はNECO CORPORATION

シェルターの中は上流階級が住むミッドタウン、そして貧困層が住むスラム街へとエリアが分断されました。

外界では人類が滅亡するような状況が続いていたにも関わらず、シェルター内ではこの期に及んで身分の上下を作るという愚かなことをしていたわけです。

上層に溜まったゴミを下層に捨てることで、上流階級の美しい生活が成り立っていました。

 

ネココープ

「NECO CORPORATION」のロゴはほとんどがゴミ箱にしかプリントされていません。

つまり、リサイクル業者であったことを匂わせる暗示となっています。

 

ロゴ

更にミッドタウンで見かけるカンパニーロゴのデザイン。

「eco」の部分がエコロジーの略、ということは分かりますね。

つまり“N.eco”が正式な表記となり、実際は”NEWエコ”か”NEOエコロジー”のような名前がついているのかもしれません。

略して”ネコ”と呼ばせるのもうまいこと考えたな、と思います。

 

ゲーム後半

ゲーム後半、NECO CORPORATIONへ潜入するネコチャン。

そこで見たものとは、ゴミの不法投棄の現場でした。

下層に捨てるばかりで全然リサイクルしてない!という実態を目の当たりにするのです。

アントビレッジの住人は「ガラクタの中にはお宝が眠っている」としてたくましく生きている者もいました。

しかし、大量のゴミを捨てられるスラム側の住人としてはたまったものではない、という状況が続いていたのです。

シェルターの中はあまり広くないですから、いずれゴミを捨てる場所もなくなってしまうことでしょう。

 

バクテリア

NECO CORPORATIONはゴミ問題に対抗するため、何でも食べてしまうバクテリアを開発しました。

その細菌の名前はZURKといいます。

生み出した当初は企業が管理できていたのか不明ですが、人類がいなくなってZURK増殖に歯止めが効かなくなってしまいました。

下水道を根城にして繁殖と進化を繰り返し、現在ではロボット(鉄)をも溶かす恐ろしい生物兵器と変化を遂げています。

ZURKのモチーフはおそらく猫の天敵となるダニでしょう。

本作のエンディングではシェルターを開けて差し込んできた陽の光により、地表のZURKは全て消滅するシーンが描かれています。

ダニの天敵は直射日光ですね。

ディフラクサーの光が紫色だったというのも、紫外線照射装置をイメージしている可能性が高い。

スラム街はネコチャンをZURKだと誤認した

GuardianはネコチャンをZURKだと誤認した

チャプター4、ネコチャンがはじめてスラム街を訪れた場面。

緊急警報が鳴り響いて街中のシャッターが閉まります。

Guardian以外の住人は建物の中へと退避してしまいますが、これは「シェルター内にぬこなんているわけないだろ」という先入観からネコチャンをZURKと誤認。

警報を鳴らしてしまうも、明るい場所でしっかりネコチャンを見たために誤解が解ける…というシーンです。

どうでもいいことですが、Guardianの服が渡世人(画像検索)みたいでカッコイイですね。

アウトサイダー4人組

スラム街にある4つのノートから、それぞれの立ち位置が浮かび上がってきます。

トランシーバーで連絡を取り合いながら、お互いにシェルター外への脱出方法を画策していた模様。

  • Momo … スラム街に残った人物。他の仲間が街から脱出しようとしているにも関わらず、自分の臆病さからついていけずに置き去りになってしまった。ひとり取り残されては、毎日寂しさを感じて過ごしている。いろいろ思うことがあったのか、ネコチャンが下水道から脱出する際には率先して船頭をやっていた。最後の言葉は「僕は勇敢だったと仲間に伝えてくれ」
  • Doc … 映画BTTFの登場人物であるドクに似た科学者。そしてSeamusのパパでもある。てっきり息子は父親が死んだと思ってやさぐれていたが、単にディフラクサーが故障してスラム街に帰ってこれないだけだった。B-12に紫外線照射装置を託して、息子ともにスラム街で残留することになる
  • Zbaltazar … アントビレッジ在住、超哲学に目覚めたアウトサイダー。凡人であるMomoには何を言ってるのか全く理解できなかった模様。大量のケーブルで自分自身とモニターを繋ぎ、来る日も来る日もひたすら瞑想にふけっている
  • Clementine … 唯一ミッドタウンまでたどり着いた女性(?)。人間から研究成果を引き継ぎ、日光がなくても育つ植物を開発した。よって、その辺に草木が生えているのはこの人のおかげということになる。スラムとミッドタウンの出入りは禁止されているため、上層全域にわたって指名手配されてしまった。ネコチャンに対し「アウトサイダーの誰か一人が外にたどり着けばよい」「あなたは私たちの仲間よ」と言い残し、自ら見張り兵のおとりとなる。

人類は死滅してからどのぐらいの時間が経過したのか

過去にシェルターの外で人類が滅亡して、続いて現在はシェルター内の人類も消滅したという流れは確実でしょう。

この悲劇的な連鎖はどのようにして起こってしまったのか。

 

ウォールシティ99

B-12のアパートに飾ってある表彰状。

Walled City 99 International University
To all whom these Letters shall come Greeting

FNUT SCIENCE & TECH INSTITUTE

it is hereby certifies that the above has satisfactorily completed the requirements
established by the Board of Directors and therefore is granted the status of

WC99 Campus Affiliated Institution

together with all rights, honors and dignity pertinent to the award.
Given at Walled City 99.
Signed and sealed this Tuesday 15, 2199

意訳

ウォールシティ99 国際大学

このレターが届く全ての人へご挨拶

食品科学技術研究所

上記の者は理事会によって定められた要件を十分に満たしており、したがって、その賞に関連するすべての権利、名誉、尊厳とともにWC99キャンパス提携機関の地位を与えられたことをここに証明する

ウォールシティ99にて 2199年〇月15日(火)署名・捺印

シェルターの中にも大学が存在していました。

おそらく、数年後にClementineが人間の研究結果を引き継いで完成させた「日光がなくても植物が育つ技術」へのゴーサインでしょうか。

人類はシェルター内の食糧問題を解決できなかった可能性があります。

他の場所にはレシピが貼ってあるのですが、昆虫食を示唆するような内容のものもありました。

とりあえず、2199年に人類が生存していたことがわかる貴重な資料が発見されたというわけです。

 

メモリー15

B-12のメモリーNo.15より「上層から下に向けてゴミを投げ捨てていた。だから最悪の結果になった」との記述があります。

ゴミから感染症が発生して、シェルター内の人間が窮地に立たされたのでしょうか。

ZURKによる廃棄物の分解も、今となっては焼け石に水だったのかもしれません。

また他のメモリーには「綺麗な水が不足していた」との表記もあります。

日光なしで育つ植物が完成していたとして、結局水不足から穀物を作れなかった可能性もあるわけで。

どの記録を見ても、シェルター内の人類が詰んでいたことが記されています。

 

calendar

ゲーム内のカレンダーは全て10月11日で止まっています。

先ほど掲載した国際大学の証書とあわせて考えると、2199年以降の10月11日に人類が滅んだのではないでしょうか。

 

エリオット

Eliotの家の壁にあるmomoの落書きより。

機械に人格を移してから「2,544,875,556日が経過した」そうです。

本当ならば約690万年ほど経過したことになりますが、さすがにそれはないでしょう。

そもそも現在は人類が誕生して700万年ぐらいとされています。

こんなに月日が経過しているのなら、地表の建築物は全て風化しているはずです。

猫も遺伝子が変化して別の生き物になってるレベル。

 

時計

街で見かける時計が全て16進数のような状態になっているので、年月のカウント方法も違うものになっている可能性があります。

 

エレベーター

スラムのエレベーター内にいるRoninというロボット。

「私は374歳」との証言を聞くことができます。

このぐらいが極めて現実的な線かな…という感じがしますね。

そして、かつての任務を遂行するだけの見張り兵が残った

そして、かつての任務を遂行するだけの見張り兵が残った

NECO CORPORATIONのような悪徳企業のために見張り兵が組まれました。

延々に動くことができる警察として、人類がいなくなったあともシェルター内の統治を続けているのです。

捕まってしまうと人間の人格を消されて、喜怒哀楽のないAIに書き換えられてしまう。

アウトサイダーも見張り兵に捕まってしまうことをひどく恐れていました。

超自我に目覚めたZbaltazarは特にこの仕打ちを嫌い、アントビレッジに定住してしまったのかもしれません。

最後にB-12はどうなったのか

最後にB-12はどうなったのか

B-12最後の語り。

ロボットに人格を移しても人間だった頃の記憶は消し去られるはずなのに、B-12だけは覚えていました。

残された最後の人間だっただけに、何か特殊な方法で人格を転移していたのでしょうか。

 

システム

コントロールルームのシステムを上書きして、最後はボディがオーバーヒートしてしまうB-12。

カラダはなくなってしまったかもしれませんが、人格が再びネットワークに移った可能性もあります。

 

エンディング後

本当に最後の最後、ネコチャンがいなくなったあとに映像をよく見てください。

画面左側の機械に電源が入って、意味ありげなシーンを見届けることができます。

これは似たような描写がゲームの序盤にもありました。

B-12は人格がネットワークに閉じ込められたことを利用して、スラム街のシステムを掌握。

スペアのボディがあるアパートまでネコチャンを導いてくれました。

このエンディングムービーにより、今度はスラム街ではなく上層のシステムへ人格が戻っていった…という解釈もできるようなラストになってますね。

あとがき

ゲーム中はネコチャンの心理描写が一切ない部分が非常に良かったですね1

周りで何が起きようとも、あくまで猫は猫でしかない。

そもそも猫は人間のことをでっかい猫だと認識しているそうなので、そういう意味ではこの世は猫だらけということにもなります。

猫は気まぐれ
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  1. 最後のワンシーンを除く(コメント欄の匿名さんありがとうございます)

8 COMMENTS

匿名

猫の心理描写は実は一度だけありました。
ラストシーンで(おそらくB-12に向けて)とてもゆっくりまばたきしています。猫を飼っている人にしかわからない表現ですね。

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かなめ

ああー!猫の顔のアップになったのに、そんな分かりやすいところを見落とすとは不覚…
最後だけ愛情表現を見せてくれるから、物語にも余韻が残りますもんね
コメントありがとうございました
ちょっと補足しておこうかと思います

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ねこねじ

エンディングはやはりB12を示唆してますよね…良かった
こんなに元ネタがいっぱいあったんですね、とても勉強になりました

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かなめ

>ねこおじさん
身を犠牲にした悲しい最期と思いきや、意味ありげにパネルが光るので、B-12の意識だけはゲーム序盤のようにネットへ帰ったような気がします

>元ネタ
いえいえ、参考になったなら幸いです
どうもアウトサイダーの名前も実在の哲学者から取ってる気がしますし、いつか公式で解説してくれると嬉しいですよね

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やもり

もう2ヶ月以上更新止まってますけど、管理人さんどうしちゃったんでしょ?

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かなめ

>やもりさん
心配かけて申し訳ないです
不定期ですけど、近日中にサイトの更新を再開させようと思ってます

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匿名

B12のアパートに飾ってある表彰状にSigned and sealed this Tuesday 15, 2199とありますが、調べてみたところ2199年に15日が火曜日になる月は1月と10月だそうです。
そしてゲーム内では10月11日で日付がとまっているため、この賞を受賞したのは2199年1月15日火曜日ということになります。

また、2199年は亥年であり、十二支で最後の12番目の干支であるためもしかしたらblue12 studiosの12となにか関係があるかもしれません。

以上、私のクソみたいな考察でした。

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かなめ

>5月 6, 2024の匿名さん
いや、そのまま追記してもいいぐらい完璧な推察だと思います
特に火曜日から1月15日を割り出すのは思わず唸ってしまいました

正直、その事実を認識してまた周回すると、新しい推察ができる気がするんですよね
受賞から9ヶ月後に人類が滅ぶとして、どれくらい問題を解決してたのか…とか

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