PS4版『WILL 素晴らしき世界』は何故販売停止となったのか
PS4版『WILL – 素晴らしき世界 -』が2021年12月2日より配信停止となっていた問題。
販売元であるPLAYISMがストアから抹消された理由を公開しました。
Twitterではgobegobeyoさんを含め徐々に話題にされ始めた状況だったので、公式が声明を出したのだと思います。
- SIEが定めるObjectionable Content Criteria(OCCガイドライン)に抵触した
- 現在、SIEと開発元と販売元の3社が販売再開に向けて協議中である
- いつ配信再開となるかは約束できない
- 何か進捗があったら当該のページにて告知する
とのこと。
PLAYISMもまさか発売から3年以上も経って警告を受けるとは思わなかったでしょう。
どこが抵触したと具体的な部分は分かりませんが、SIEの規制が3年前より厳しくなったのかもしれません。
日本のプレイステーションは表現の幅が狭まっている
今回『Will』が規制を受けた部分に関してはわかりません。
とりあえず近年の国内プレイステーションに絞って言えば
- グロ → CEROが厳しい
- エロ → SIEが厳しい
というような板挟みにあっているのが現状です。
2016年にソニーのゲーム部門が欧米に移転して以降、このような状況になってしまいました。
昔はソニーがゆるく任天堂が厳しいという認識を持っていた人もいるでしょう。
現在、任天堂はIARC汎用レーティングという審査も導入して幅広いゲームに対応しています。
プレイステーションはCEROのみ。
[blogcard url=”https://www.d3p.co.jp/omegalabyrinth_life/products/”]『オメガラビリンス ライフ』というゲームは開き直って
- PS4版 … 温泉の湯気あり、収録イラストが少ない、定価5,800円
- Switch版 … 温泉の湯気なし、収録イラストが多い、定価7,800円
と公開しているぐらいでした。
閃乱カグラの高木Pは表現規制がひとつの原因としてマーベラスから独立を果たしています。
『WILL 素晴らしき世界』ってどんなゲーム?
プレイする予定がある人はブラウザバックしてください。
中国発のビジュアルノベル。
プレイヤーは神様となり、人間から送られてくる手紙の内容を入れ替えて運命を変えていくというADVです。
手紙は白いウィンドウの部分だけ手を加えることが可能。
難易度ノーマルでは赤い文字が現れてハッピーエンド…とまではいきませんが、それなりに良い結末へ導くヒントが映し出されます。
1つのエピソードが終わるとランクの判定が行われ、キャラクターの行く末によってBADからSランクまで5段階の評価がつきます。
日本語訳は違和感もなく良好。
登場人物の国籍が多様なために名前が覚えづらいですが、プレイする上での問題点はそのぐらいです。
『街 〜運命の交差点〜』『428 〜封鎖された渋谷で〜』に影響を受けたザッピングシステム
[blogcard url=”https://automaton-media.com/articles/interviewsjp/20180529-68712/”]
ある程度進めるとフローチャートが一旦封鎖、別の人物へと話が移ります。
これはもう『428』そのままのシステムですね。
開発者同士の対談がautomatonに掲載されてますが、やはり開発元の中国では『街』よりも『428』が有名なんだそうです。
エロもグロも同性愛もある「CERO D(17歳以上対象)」
最初にゲームを起動したときに現れる注意書き。
笑える話もありますが、基本的には後半になるほど話が重くなっていきます。
文章だけで物語を表現しているという点を活かし、凄惨な場面もあります。
神の視点で人間の不幸を見届ける。
同性の強◯や子供がひどい目に合う部分がSIEの基準に引っかかったのかもしれません。
ニトロプラス作品を普段からプレイしているようなゲーマーならともかく、あまりADVをやらないという人は腹をくくっておいた方がいいでしょう。
そういえば今回の事例とは違うのですが、グロADVといえばCHAOS;HEAD NOAH。
Xbox360 / Vita版がCERO:Z、PS3 / PSP版はぎりぎり全年齢に表現を抑えたCERO:Dだったということを思い出しました。
『WILL』はCEROの検閲をクリアしたにも関わらず、SIEに止められてしまったとは何とも残念なことです。
形骸化するゲームシステム
序盤は「暗いから鍵落としちゃった」とわかりやすい展開が続きます。
周りを明るくして鍵を落とさないようにすればいいだけですね。
後半は因果関係がなくなり、全く物事の予測がつきません。
そういうのがバタフライ・エフェクトだろう、と言われればそれまでかもしれませんが…。
結局、総当たりで文章入れ替えを試すだけ。
面倒くさくなって最短ルートを攻略サイトで見るだけになります。
それでネタバレを食らうという。
自力でCGを埋めたり全ルートを回るのはなかなか難しいでしょう。
他機種版について
Switch版
現在も問題なく購入することができます。
コンシューマ機で表現規制のないバージョンがやりたいならSwitch一択。
大体1,000円ぐらいまで値下がりするので、そのときを狙うのがいいでしょう。
iOS版
[blogcard url=”https://apps.apple.com/jp/app/will-%E7%B4%A0%E6%99%B4%E3%82%89%E3%81%97%E3%81%8D%E4%B8%96%E7%95%8C/id1486290323″]
何かと表現に厳しいAppleですら、まさかの年齢制限「12歳以上推奨」程度で済んでいるという。
デフォルトの価格は全プラットフォームで一番安い1,100円。
Steam版
[blogcard url=”https://store.steampowered.com/app/588040/WILL_A_Wonderful_World__WILL/?l=japanese”]
定価1,480円。
割引率はSwitch版と同じぐらい。
ただし電子アートブックとサウンドトラックなるDLCがあります。
パッケージ輸入盤
日本語が収録されているかは不明。
トロフィーはどう?
難易度1、プレイタイム12時間といったところ。
ADVなので攻略を見てその通りに進めていけばOKです。
ただし、ネタバレをほぼ100%食らうことになるので、ある程度自分で頑張ってから見た方がいいかもしれません。
あとがき
配信停止との話が出た時に、あーと何となく察せてしまいました
人身売買のところで引っ掛かったのかなぁと思っております
唯一の日本人が出てくるパートだったかと思いますが、人権問題にうるさい昨今ではハードな内容でしたし
それでは、失礼します
>匿名さん
コメントありがとうございます
具体例参考になりました
結構引っかかりそうな部分がありそうですけど、そこは特に危ないですね
面倒な問題に先手を打った方がいいとは思いますが、販売してから引っ込めるということに関してはちょっと悲しくなりますね
昔のエロ系規制緩かった時期に発売されてるバレットガールズとか閃乱カグラとかは問題なく売ってるあたり
直球のエロよりも、そっち系はさらに厳しくなったのかもですね
でも今のPSでも下着丸出しなADVとか発売されてたりしますし基準がすごい曖昧な感
あと任天堂さんも限度はあるみたいでエロ方面に突き抜けたデュエルプリンセスは販売停止食らったみたいですね
>匿名さん
さすがにデュエルプリンセスは任天堂でもアウトでしたね…
まさに例に挙げられてるバレガ、そしてオメガラビリンスと同じスタッフで笑ってしまいました
そうか、カグラをはじめ他のタイトルは普通に売ってますもんね
さすがに倫理規程だけは最優先事項ということでしょうか
本当、下着や身体欠損が他のタイトルではOKだったり、いろいろ曖昧ですね