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若き修道女と悪魔サタンが脳内で掛け合いながら自分探しの旅に出るパズルADV『インディカ』
所属スタッフはロシア出身者でありながら、プーチン政権のウクライナ侵攻を公然と批判したことにより国外退去となってしまったメーカー”Odd Meter”。
そんな開発メンバーが手掛けるタイトルがこの『INDIKA』です。
主人公の若き修道女であるインディカは、サタン（悪魔）が見えるということで数々の奇行に走ってしまい、教会では孤立した立場にありました。
だから、オープニングでは井戸から水をひたすら運ぶという意味のない作業を延々とやらされ、しまいにはバケツをひっくり返されてイビられていたのです。
このゲームのディレクターであるDmitry Svetlow氏もまたロシア正教会[Wikipedia]に在籍した経験があるということで、「神って何？悪魔ってなんぞ？宗教って意味あんの？」みたいな哲学的な悩みがゲームの中に反映されているのですね。
世界ではほとんどの人がなんらかの宗教に入信してるわけであり、無宗教が大多数を占めるのは日本ぐらいのものです。
つまり、現実に絡めた背教的な作品をコンシューマに投下するというのは、賛否ともかくとして凄いことをやってるよね…と。
カメラワークが大変よろしい作品
休憩。まだ始めたばかりだけど、これだけ肌感があうゲームは久しぶり。ワクワクとドキドキ。#INDIKA pic.twitter.com/W0fRDIgxHq
— 雨宮慶太 (@keitaamemiya01) May 29, 2024
ゲームスタートからしばらくあとに流れるカットシーン。
主人公のインディカが撮影カメラを持って自撮りしている…かのような演出が素晴らしい一コマです。
ここでいきなり物語に引き込まれたというプレイヤーも多いはず。
それで、ゲームではあまり見かけない「バイクのハンドルにカメラを設置してこちらを撮影してる」かのようなシーンです。
映画っぽいじゃなくて、まんま映画ですね。
カットシーンが長いゲームはあまり好きでない人も、この映像レベルまでくれば思わず見入ってしまうのではないでしょうか。
インディカが歩いてるだけでスタッフロールが始まっちゃうという演出の凄さ。
過去の回想シーンは画質が下がる = ピクセルアートになるという解釈。
インディカ。クリア。ふだんプレイしてるゲームの心情表現や不安の具現化の文法と全く異なる演出だったので凄く楽しかった。こんなゲームともっと出会いたいと願う週末。#INDIKA #インディカ pic.twitter.com/sVOtfiyciJ
— 雨宮慶太 (@keitaamemiya01) May 31, 2024
仮面ライダーRX / ZO / Jなどでおなじみの映像作家、雨宮慶太さんも本作を称賛しておられます。
これはプロの目から見ても凄い作品だった、という一つの指針になるでしょう。
直接的な描写はないが、性的な話にも言及しているシーンがある
一方で各国のレーティングが思いっきり上がりそうな話も。
主人公は戒律に縛られた修道女ということで、男性との濃厚な接触も勿論ご法度とされています。
そして、それをあざ笑うかのように何か使うかは言えないドールが出てきたり、途中で出会った男性に対してもサタン様は頻繁にちょっかいを出しています。
ここまで真剣に見てたのに、乳を揉めとかちょっと笑わせないでもらえますかね…。
ゲームにコスパを求める人には向いてない
本作は定価2,750円でありながら、1プレイ約5時間ほどでエンディングまで到達してしまいます。
もちろん今後の値下げも見越して価格設定をしてるとは思いますが、長く遊べるゲームこそ至高と思っている人は少し様子を伺ったほうがいいでしょう。
どちらかというと「ゲームはまだまだ可能性を秘めている。既存の枠にとらわれない作品がみたい」という人が買うと、ターゲットもばっちり合っている気がします。
日本国内では5月16日に販売開始されるが、同月の末日に取り下げられてしまう
【本日発売】
若き修道女が悪魔と共に自分探しの旅に出る物語を描いた『インディカ』がPS5®で登場。修道院の安全な塀の外へ使いに出る彼女が出会う、ドストエフスキーやブルガーコフの小説を思わせる、喜劇と悲劇の荒唐無稽な世界とは。
PS Storeは⇒https://t.co/2NG9lUqAvX#インディカ pic.twitter.com/YNSd4euChD
— プレイステーション公式 (@PlayStation_jp) May 17, 2024
そんな奇ゲー『INDIKA』なんですが、発売から2週間ほど経過したところで国内PSストアから取り下げられてしまいました。
サイレント削除の上に復活するかどうかもアナウンスがないので、とりあえず現段階で分かっていることから消された理由を推測するしかありません。
ここからはあくまで筆者の推測であり、これが引き上げられた原因であろうという理由を挙げていきます。
以下はソニー公式の見解ではないことに十分配慮した上で記事を読み進めてください。
ソニーと任天堂はIARC18+のタイトルを配信していない。CEROを通す必要がある
参考リンク：CEROとIARC、審査機関の違いって何？【トロフィー視点】
任天堂公式サイト：レーティングマークについて
現在、日本市場にはそれぞれ「IARC」「CERO」という2つのゲーム審査機関が存在しています。
パッケージ版があるソフトは必ずCEROを通さなければなりませんが、ダウンロード版しかないゲームについてはIARCだけで簡易的に審査を終わらせることができます。
IARCは海外主権のレーティング機関で審査料が無料ということもあり、できればそちら側を使いたいというメーカーの思惑もあるのですね。
ただし、マイクロソフトだけはIARC18+レーティングでソフトを配信してますが、ソニーと任天堂は自主規制により国内では取り扱っていません。
あくまでもR-18ならばCEROを通せということなんです。
最近は長所も短所もあることが分かってきたIARCレーティング
機械的に審査が完了するIARC（設問にYESかNOで答えるだけ）は便利なんですが、やはり限界もありまして。
しっかり人間が最後までプレイしてから「やっぱこのシーン駄目」みたいなケースも増えてきました。
それで、あとからレーティング引き上げ → 撤収みたいな可哀想な事例もあります。
（例：BalatroはIARC 3 から18+に引き上げ、なんと幼児向けから18歳未満禁止までジャンプアップするという凄まじさ）
ちなみに北米だと乳首が出てもESRB 17歳以上で済むんですが、日本ではどうやったって駄目です。
Q.『INDIKA』トロフィーどう？
トロフィーコンプリートはそんなに難しくありません。
クリア後にはチャプターセレクトもありますし、取り逃がしたトロフィーを再び回収することができます。
ストーリーの実績以外は簡単な特定の行動を取るだけなので、特に苦戦する部分もないですね。
最初は物語と演出をじっくり楽しみ、あとで実績を回収するという作戦でいきましょう。
他にプレイする方法あるの？
今後は日本市場で問題視されている部分をカットして復活するかもしれません。
…しかし、ゲーマーとしてはなるべく原作のままで作品を楽しみたいものでしょう。
とりあえず、現時点で確実に日本国内からINDIKAをプレイできる方法を考えてみました。
ちなみに本作は全バージョンにおいて日本字幕が搭載されているため、どこの国のソフトを買っても特に問題はないかと思います。
まずは1つ目の方法「Steam版をプレイする」です。
どうやらインディカ販売ページは日本国内からもアクセスは遮断していないため、現在も普通に作品を購入することができます。
定価はPS5版より50円ほど高いですが、今後は頻繁にセールも行われるからあまり気にはならないでしょう。
続いての購入方法は「北米PSストアにアクセスする」です。
レーティングはESRB17ですし、ぎりぎりオンラインストアで買える作品としてプリペイドチャージから購入することができます。
ただ、去年は海外アカウント大量BAN事件があったため、それがトラウマになって手を出したくない人も多いかもしれません。
Great news! #INDIKA for PS5 will have a physical release this year thanks to our friends @MergeGamesLtd 💛
👀 Pre-order here: https://t.co/ossUQMJ9km https://t.co/yc1CPvePAC pic.twitter.com/K0Xh5QMjiL
— INDIKA | OUT NOW (@indikagame) May 23, 2024
次は「パッケージ版を買う」です。
今後、海外で販売される予定とのことなので、amazonかプレイアジアに出荷してくれれば購入できるでしょう。
これで物理メディアさえを所持していれば、例えPSストアから消されても安心です。
最後は「Xbox Series X|Sで買う」です。
ソニーや任天堂とは違い、マイクロソフトはIARC18+レーティングを日本国内でも採用しています。
トロフィーの代わりに実績が取れますし、ゲーム機をいろいろ持ってる人はそれぞれ使い分けるとよいのではないでしょうか。
あとがき
とりあえず最初からIARC18+だったのならばSIE社内で連携が取れてないことになりますし、逆に途中でレーティングが変更となったのならソニーが可哀想…ということになりますね。
ワンダラーズフロムイースのSwitch版がストアから消えたのも乳首が原因じゃないかと言われていますね
>6月 4, 2024の匿名さん
EGG版イースの件、教えていただきありがとうございます
なるほど、電子マニュアルのイラストが引っかかるとは…
EGGのPC版だと月額を徴収されるから、Swich版の買い切りを狙うのがいいんですけど、これはこれで辛い仕打ちですね
これからもIARCがOKで日本が駄目、みたいな問題はまだまだ続きそうな気がします
解説ありがとうございます。
Balatroが配信再開されない理由がわかりました。発売時に購入してよかったです。
せめて配信停止の理由を公式が説明してくれたらいいんですけどね。
>クロサキさん
まさかBalatroの方で納得してもらえるとは笑
日本はギャンブルに対して寛容なので、CEROに変えたらいける気がします
ただ、審査料がネックになってるのかもしれませんが…
>配信停止の理由
同意です
Balatroはメーカーが声明を発表しましたけど、基本はだんまりですよね
いろいろ言えない理由があるのは分かりますが、サイレント削除はあまり好きじゃないです
当日訳あって金欠で給料日が月末だったので当日直ぐPSNカード購入して買おうとしたらいくら検査しても存在自体が消えて「は??」ってなりました
このサイト見て理由はわかりましたが正直ショックしかないです、2ヶ月前から気になったゲームだけあって絶対面白いと思ったのに
>6月 6, 2024の匿名さん
お金貯めてからゲーム買うぞ！というゲーマーの純粋な気持ちが余計に辛い…
数日前まで普通に買えた、という状況が余計に悔しさを倍増させますよね
ここは2ヶ月前からアンテナを張ってた匿名さんのような人にこそプレイしてもらいたかったのに
いろいろ大人の事情があるのは分かるんですが、公式で宣伝した以上は「調査中」ぐらいの一言があってもいい気がしました